2010年12月31日金曜日

今年の3冊 『アイデアの作り方』

どうも。いよいよ今年最後の更新。
今年の3冊シリーズの最後を飾るのは『アイデアの作り方』

ちなみに過去記事はこちら
第1弾『ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち』
第2弾『facebook 世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男』

この本は新橋で開かれてる某読書会で紹介された本なんですが、ぜひ皆さんにも読んでいただきたい1冊です。



この本は直感や感性によるものだと思われてた"アイデア"を
造り出す過程を明らかにしようとする本です。

つまりアイデアを出すという神秘的(だと思われている)プロセスを
科学的なものに、再現可能なものにしようという試みです。

この本はまさにエッセンスが凝縮されたもので、テーマの壮大さの割に
あっさりと読み終わってしまいます。なんとページ数にして62ページ。

ほんとに15-30分でこの本自体は読めてしまいますが、何十回・何百回読んでも
この本を読み終わった事にはならないでしょう。

それはなぜかという事も含めて、軽く本の内容に触れたいとおもいます。

この本はアイデアの原理と方法に焦点を当てています。まず原理を知り、次に方法を学ぶのが、あらゆる技術を習得する上で最も大事だと説いています。

【アイデアの2つの原理】
1:アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせであること
2:既存の要素を新しい1つの組み合わせに導くのは、事物の関連性をみつけだす才能による

【アイデアを生み出す5つの過程】
1:資料の収集(特殊資料と一般資料)
2:資料の咀嚼(情報→解釈へと変える作業)
3:問題を意識の外に置く(ただし常にそれを無意識的に考えておく)
4:アイデアが舞い降りる瞬間(ベッドで、トイレで、散歩中で舞い降りてくるアレ)
5:アイデアの具体化(現実の厳しいフィルタリングにかけ、実現できる形にする)

なんとたったこれだけである。
しかし実は僕がこの本で一番響いたのはこの原理や方法ではなく、この一節だ。

"自分で見つけ出したこの貴重な公式をなぜ私が惜しげもなく公表するのか...第一は、この公式は、説明すればごく簡単なので、これを聞いたところで実際に信用する人はまず僅かしかいないということ。第二は、説明は至極簡単だが実際にこれを実行するとなると最も困難な種類の知識労働が必要なので、この公式を手に入れたといっても、誰もがこれを使いこなすというわけにはいかないということである。"


この部分こそ、この本を何十回・何百回読んでもこの本を読み終わった事にはならないという由縁なのだ。この文章を読んで、耳が痛くなる思いをする方は多いのではないでしょうか。

すばらしいアイデア(ここではアイデアを生み出す技術というアイデア)とは後から見たとき至極単純に見えるのだが、それはコロンブスの卵なのです。

そして何より、原理・方法を知ったところでそれを本当の意味で実行できる人はほとんどいないということです。アイデアを作る過程をみても、大半の人はおそらく3と4ばかりやろうとして、1や2の過程を飛ばしたり、5の段階で心が折れたりする人が多いのではないでしょうか。

この一文はアイデアを作る技術にとどまらない、示唆深い文章だと思います。
何回読みなおしても、新たな気づきを与えてくれるこの本をぜひ2011年の皆様のお供に。

では皆様よいお年を(。・ω・)/

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